肛門嚢炎の症状は?

犬の肛門の左右に肛門腺と呼ばれる袋があり、これを肛門嚢と呼んでいます。
この袋はマーキングのときなどに使われる、独特の匂いのする分泌物を溜めておくものです。
肛門嚢炎は、この肛門嚢が炎症をおこす病気です。

肛門嚢にたまった分泌物は、普通は排便をする時に、一緒に排出されます。
しかしマルチーズのような小型犬は、排泄時に肛門腺を絞って分泌物を排出する筋力がありません。
このため肛門嚢に分泌物がたまったり、そこに細菌が入り込んで肛門嚢炎になりやすいのです。

肛門のまわりは便や泥がつきやすく、細菌が入りやすくなっており、炎症を起こしやすい箇所だから、十分な注意が必要です。
症状が悪化すると、肛門嚢に溜まった膿や血液がお尻から出てきたり、肛門嚢が破裂して肛門のそばに穴があき、そこから膿が出たりします。
痛みも強いですから、食欲不振になり、元気もなくなります。

ワンちゃんがお尻を気にする、床に擦りつけているときは、肛門嚢炎の疑いがあります。
肛門の両側に肛門腺がありますから、ここをやさしく摘んでみて、丸く大きく腫れていれば、肛門腺が溜まっている証拠です。
炎症を起こしていれば、肛門の周りの皮膚が赤く腫れていて痛いため、触られるのを嫌がることもあります。
兆候があったなら、なるべく早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。

肛門嚢炎の治療法は?

治療法は肛門絞り、薬による内科的療法、手術をする外科的療法があります。

肛門絞りとは、肛門腺を潰すようにして溜まった分泌物を絞り出すことをいいます。
分泌物がたまった頃に定期的に肛門絞りを行う必要があります。

その後は、抗生物質を投与して、化膿するのを防ぎます。
軽症であれば、内科的療法だけで症状が改善されます。

しかし症状が進行している場合は、手術が行われることがあります。
肛門腺を切開して、溜まった膿を取り除いて洗浄します。
肛門腺が破裂した場合は、再建手術を行います。
早期治療の場合は、麻酔無しの簡単な手術で終わります。
完治までを短くするなら、早めに病院に連れて行きましょう。

肛門嚢炎の予防法は?

肛門嚢炎を予防するためには、普段のケアが大切です。
ワンちゃんによって異なりますが、1か月に1度程度を目安に、肛門絞りを行って、分泌物が貯まりすぎないようにしましょう。
かかりつけの獣医さんに、肛門絞りの方法を教えてもらうか、自分でするのが難しいなら、病院やペットショップのトリマーさんにお願いしましょう。

肛門嚢炎は治ってもまた再発しやすいので、治療が終わっても、再発していないか気をつけてあげることが大切です。
何度も再発する場合は、手術で肛門腺を取り除くという選択肢もあります。