僧帽弁閉鎖不全症の症状は?

僧帽弁閉鎖不全症は、左心室と左心房の間にある僧帽弁がうまく閉じなくなり、左心室から血液を大動脈へ送るときに、血液が心臓へと逆流する病気です。

犬が最もかかりやすい心臓病で、特にマルチーズなどの小型犬が高齢になると発症しやすいので、マルチーズの飼い主さんは十分に注意しましょう。

初期の場合は症状が出ないので、飼い主が気づきにくいため、健康診断などで発見されるケースが多くなります。
その後、咳が出るようになります。
これは血液が左心室に逆流して、ぱんぱんに膨れ上がってしまうので、心臓の上にある気管を圧迫するためです。
痰を吐くような咳が、夜から朝にかけて、また興奮したときに出ます。

さらに病気が進行すると、疲れやすくなり、体重も減るといった症状が現れるのが一般的です。
そして悪化が進むと、心不全になります。
心不全になると肺の中に血液がたまり、肺水腫になり呼吸困難に陥るのでとても危険です。
また、不整脈になって、失神する場合もあります。

僧帽弁閉鎖不全症の治療法は?

治療は薬による内科的治療と、手術による外科的治療があります。
ただ、手術は非常に難しいので、手術を行っている病院はごくわずかです。
かかりつけの獣医さんから、心臓手術を行っている病院を紹介してもらいましょう。

投薬による治療では、弁を正常に戻せないので、根治はできません。
病気の進行を遅らせて、心不全に至るまでの時間をできるかぎり延ばすことや、心不全の症状を和らげることを目的とした治療になります。

一度この病気にかかると、原則として一生薬を飲み続ける必要があり、症状が進行すると服用する薬も多くなります。

症状が出てから治療をするより、症状があらわれない早期の段階で治療を行うことで、心不全に至るまでの時間を長くできます。

薬を嫌がるワンちゃんも多いのですが、薬の飲み忘れで症状が悪化することか多いため、確実に薬を飲ませることが大切です。

また毎日の生活では、高温多湿を避けて快適な環境を整える、激しい運動をさせない、塩分の多い食べ物を与えないよう心がけましょう。
そしてシャンプーやトリミングを行うときは、病気の状態をよくわかっているかかりつけ医の病院に依頼すると安心です。

僧帽弁閉鎖不全症の予防法は

残念ですが、僧帽弁閉鎖不全症に有効な予防法は、特にありません。
ですから早期発見・早期治療に努めることがとても重要になります。
この病気は5歳から7歳頃から発病することが多いのですが、実際に症状が現れるのは10歳以上の高齢になってからです。
発症していても数年は気づかないことが多いので、マルチーズなど小型犬の飼い主さんは、5歳頃から定期検診を受けることをおすすめします。